前回非常に好評だったブラジル日本移民に関する勉強会の第2弾を8/24(日)午後1時から4時までカポエイラ・ヴァジアソンで行います。
今回のテーマは、8/15の終戦記念日にちなみ「ブラジル日本移民にとっての終戦」。いわゆる「勝ち組/負け組」問題を取り上げます。
第2次大戦後、祖国日本の敗戦を認めるか認めないかで日系社会が分断されました。敗戦を認める認識派を「負け組」、日本は戦争に勝ったんだと信じる人々は「勝ち組」と呼ばれ、血気盛んな「勝ち組」の青年たちが「負け組」のリーダーたちを暗殺するという凄惨な事件が多発しました。
対戦中、連合国側についたブラジルは日本と国交を断絶します。この瞬間、ブラジルにいた日本移民は敵国からの移民となりました。日本語での教育や集会が禁止され、逮捕者が相つぎました。警察では厳しい尋問や拷問が行われたといいます。日本政府の役人たちは全員日本に帰ってしまい、かの地にとり残された移民たちは非常に心細い思いをします。「自分たちは日本に見捨てられた民=棄民だ」と嘆かれたのはこの時代です。
情報が極度に統制されていた当時、移民たちにとって日本の戦況や世界情勢を正確に把握できるすべはほとんどありませんでした。日本の敗戦が告げられて大騒ぎになった移民社会でしたが、同じ日に「敗戦はデマだ。実は日本は勝ったんだ」といううわさが流れました。敗戦を認めること=帰る場所を失う移民たちは、祈るような思いでこのうわさにすがります。これが「勝ち組」「負け組」対立の出発点です。
今回の上映会では、暗殺事件に関わった4人の実行犯のうち、最後の生き残りである日高さんを取材したドキュメンタリーを見ます。客観的には「殺人犯」の日高さんですが、当時はいかに大義を背負っていたか、日本人としてのアイデンティティーや誇りを守り抜くという「純粋な」心情に支えられた行為だったと話す言葉に、当時の移民がおかれていた状況の複雑さがにじみます。
みんなでドキュメンタリーを見た後、前回同様、みんなで感想や意見を交換したいと思います。
今日の私たちがあまりぴんと来ない、あるいは胡散臭いとさえ感じてしまう「愛国心」とか「日本人としての誇り」といったテーマに、ブラジル移民の歴史を通じて向き合えるいい機会だと思います。
みなさん、万事繰り合わせの上、ぜひぜひご参加ください。またお会いできるのを楽しみにしております!
勉強会「ブラジル日本移民にとっての終戦」
日時:2014年8月24日(日) 午後1時から4時
場所:カポエイラ・ヴァジアソン(名古屋市千種区内山3-26-13 4F)
参加費:無料
プログラム:
13:00-14:30 ドキュメンタリー上映会
14:30-15:00 独自取材映像の上映(予定)
15:00-16:00 感想・意見交換