日本を代表するビリンバウ奏者で旅の音楽家、マリオこと丸山祐一郎さんとパートナーのこやまはるこさんが、うちに遊びに来てくれました。おそらく10年ぶりくらいの再会でしたが、丸山さんもはるちゃんも全然お変わりなく、エネルギー全開でした。
先日とつぜん電話をいただき、愛用してきたビリンバウのバチが折れてしまったが、大切な奉納演奏を前に時間がないというご相談を受け、さっそく数本仕上げてお送りしたのが、今回の再会のきっかけになったのです。
食事の後、お二人がギターを弾きだすと、うちの子供たちも大喜び。とくに一番下は、ぴょんぴょん跳ね回って、おしりフリフリ。最後は丸山さんにチューのプレゼントまでしていました!
お二人ともお忙しいなか立ち寄ってくださり、楽しい時間を本当にありがとうございました!
11月8日に名古屋で水カリンバのWSとライブを行うそうで、また近いうちにお会いできそうです!
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丸山さんとの出会いは2002年、メストリ・ブラジリアを日本に招聘して行うイベントの新聞記事を見て、彼が私に電話をくれたことから始まります。なんでも「自分はビリンバウを専門にやっていて、昔メストリ・カンジキーニャにビリンバウを習った。メストリ・ブラジリアも知っている」と自己紹介をしてくださいました。それで私もピンと来ました。以前メストリから「お前よりずっと前にビリンバウを手ほどきした日本人がいた。今は音楽活動をしているらしいが、どこにいるのかコンタクトは途絶えてしまった」と聞かされていたことがあったからです。
丸山さんと話しているうちに、奇跡的な偶然の重なりに何度もうならされました。まず丸山さんにカンジキーニャを紹介したアリッセ・K(サンパウロの演劇界では知る人ぞ知る鬼才、メストリ・ブラジリアの生徒)が、私をメストリ・ブラジリアに紹介してくれたその人であること。アリッセとの出会いがなかったら、私はカポエイラを始めていなかったでしょう。丸山さんもおそらくカンジキーニャにはたどり着かなかったに違いありません。
第2に、ヴァジアソンのサイトでも使用しているメストリ・カンジキーニャの写真は、私がメストリ・ブラジリアからもらって大切にしていたものですが、実は丸山さんとアリッセが92年に撮影したものをメストリ・ブラジリアにプレゼントしたものだったということ。ビリンバウを手に持ったカンジキーニャが立っているのは、彼がレッスンをしていたアカデミアの前です。ここは、丸山さんの文章にも出てくるように、団地の中の集会所のようなところで、現在もカンジキーニャの弟子メストリ・ホッキがカポエイラを教えています。カンジキーニャの未亡人ドナ・イヴォニは、今もこの団地に住んでいて、私も取材に伺ったことのある思い出の場所です。
そして丸山さんが、私と同じ愛知県一宮市の出身で、現在は長野県在住ですが、私たちのイベントの記事を見たときたまたま帰省されていたこと。新聞記事が掲載されたのは地方版ですから、あの日あのタイミングで一宮にいらっしゃらなければ、私たちの出会いもありませんでした。そしてなんと週末にコンサートがあるとのことで、私とメストリを招待していただいたのです。メストリ・ブラジリアもこの不思議なめぐり合わせに感動を隠せませんでした。
それにしても、こういうことがあるんですね。ビリンバウがつないだ縁の一つです。
posted by kubohara at 12:22|
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