2014年06月22日

A única raça é ser humano(唯一の人種は“人間”だ)

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ゲストスピーカーの田中マルリさんを囲んで


 ホーダの後とはまた別な、すがすがしい充実感に満ちた時間でした。

 本日午後1時から4時までカポエイラ・ヴァジアソンでは移民の日・特別企画「ブラジル日本移民って何だ?」を開催しました。

 直前の告知だったにもかかわらず、18人の方々にご参加いただき、和やか雰囲気の中、私自身とても多くのことを学ばせていただきました。

 今回は『中日新聞』に掲載された記事をご覧になって来たという方々が半分でした。やはりこういう硬派の集まり(少なくともタイトル上は)に参加する方々はすでに高い問題意識をお持ちの方が多いですね。だからこそお互いに受け取る刺激も大きいのですが、本当は新聞なんか読まない若者たち、読めない外国人たちも巻き込もうというのが狙いの企画ですので、そういう意味ではメディアの使い方も含めて、今後どうやったらターゲットの人たちに届くか、広報の仕方を改善していく必要も感じました。

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 第1部では、いかにして日本移民が始まったか、歴史的な背景を知るために、6年前にNHKで放送された番組をみんなで見ました。

 その後、休憩を挟んだ第2部では、ゲストとしてお呼びした田中マルリさんのお話を聞きました。彼女の育った日系コロニアの話から来日して目の当たりにした日本社会の印象まで、トピックは多岐に渡りました。

 「日本人は他人に迷惑をかけることを心配しすぎるのでは」という指摘、至極ごもっともです。

 確かに日本人って、「自由さ」を表現するときの枕詞として「他人に迷惑をかけなければ」というのをよく使いますね。「何をやっても自由なんだ、ただし・・・」という形で。

 マルリさんはこんな例を挙げてくれました。日本人は、道に迷っても携帯の地図で検索して何とか自力でたどり着こうとする。ブラジル人だったら、気軽に近くの人に尋ねて、教えてもらうのが普通だ。人によっては現地まで案内してくれる。聞くほうも聞かれるほうも誰もそんなことで迷惑をかけるとは考えないというお話でした。

 お互い同じ人間なんだし、迷惑だなんて遠慮する必要はないのではと言うマルリの言葉に、私の師匠メストリ・ブラジリアが言っていた「A única raça é ser humano(唯一の人種は“人間”だ)」というフレーズを思い出しました。

 フリージャーナリストのKさんからは、自殺の多い日本社会で、なかなか他人に助けてと言えないのも同じところに根っこがあるのかもという意見が出されたり、ブラジル人を鏡として日本人的な気質が様々な角度から浮かび上がってくるような、とても刺激的な質疑が飛び交っていました。

 「こういう企画、毎月やるんですか?」とうれしい期待をこめて聞いてくれたのは、東京から参加してくれた大学3年生のSさん。親戚にブラジルに移民した方がいるということで、移民の問題に関心を持ったそうです。

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 ネタはそれこそ尽きないほどありますので、この企画ぜひ継続していきたいと思います。また決まり次第このブログでもリリースいたします。



 

posted by kubohara at 23:45| Comment(0) | ブラジル日本移民
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