2014年04月23日
アゴゴ・ジ・カスターニャの作られ方
これなんだかお分かりですか?一見カバッサがうずたかく積まれているようにも見えますね。じつはこれがカスターニャの実なんだそうです。私も初めて見ました。
外側には分厚く固い殻がついていまして、それを容赦なくかなづちで叩き割ります。
すると中からおなじみの、あのかわいいカスターニャの地肌が現れます。これには私も驚きました。てっきりあのしわしわの地肌が一番外側の殻だろうと信じていましたので。
さらに実の頭部をのこぎりで切ると、なかにはこれまた硬い種がぎっしり詰まっています。
取り出すとこんな感じです。
さらにそれをトンカチで叩き割ると、これこそが高級ナッツのカスターニャなんですね。ブラジルのチョコレートでもカスターニャ入りのものは高いです!
加工前、加工後です。ぜんぜん違いますね!
で、最終的にこうなります。
写真にはありませんが、実際アゴゴの制作で一番のポイントになるのが二つの音「トン・タン・トン」のバランスです。今回私は5つ作って持って帰ってきましたが、5つの組み合わせ、つまり10個のカスターニャを選ぶのに、その倍の20個ほどカスターニャを準備しなくてはなりませんでした。
なかにはそもそも楽器として使える音の出ないものもあります。そういうものは残念ですがゴミ箱行きです。それも上の重労働を経て、実を開けてみないと分からないことなんですね・・・。だから楽器職人としては仕入れのロスも結構あるようです。
これまでアゴゴなんて(失礼!)それほど気に留めていませんでしたが、今回の経験を経て、あらためてサンパウロやサルヴァドールで売られているアゴゴ・ジ・カスターニャを手にとって見ると、音質的なバランスで使い物になるクオリティーのものは本当にごく一部でした。むしろサンバメーカーが工場で作るメタルのアゴゴのほうが、音のバランスという面では規格にはまっていて安心です。ただカスターニャのものは手作りしかありませんので、あのまろやかな音色にこだわる人は、実際に自分で叩いて音を確認することをお勧めします。
というわけで「トン・タン・トン」を延々1時間以上続けて吟味してきたアゴゴ・ジ・カスターニャ。関心のある方はこちらでお買い求めいただけます。
posted by kubohara at 01:23| Comment(0)
| 音楽(歌・楽器・CD)
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